議事録の仕組みを作ったら、毎月10時間が戻ってくるようになりました
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今回は、実際に作ったものの話を書きます。題材は議事録です。派手さはまったくありませんが、私が最初に作った1本がこれでした。
会議が終わっても、仕事は終わっていませんでした
以前の私の会議は、こんな流れでした。
会議そのものが1時間。ここまでは普通です。問題はそのあとで、録音を聞き直しながら議事録を書き、決まったことを整理して、関係者に共有する。この後工程に毎回1時間近くかかっていました。
そして、たいていその場ではやりません。次の予定が入っているからです。夕方や翌日にまとめてやることになります。
そうすると何が起きるかというと、決まったことが動き出すのが1日遅れます。誰が何をやるのかが共有されるまで、全員が待っている状態になります。会議で決めたはずなのに、実際に動くのは翌日から。これが毎週です。
全部を足すと、週に3〜4時間ほど使っていました。
正直に言うと、この時間がしんどかったわけではありません。しんどかったのは、この作業が何も生み出していないことのほうでした。録音を聞き直している時間は、決まったことを前に進める時間ではありません。本来やるべき仕事の手前で、毎回止まっていました。
作ったのは、会議のあとを一本につなぐ仕組みです
やったことは単純です。会議が終わってから共有までの流れを、途切れないように一本につなぎました。
録音を渡すと、文字起こしがされて、議事録の下書きができて、決まったこととやることが一覧になる。ここまでが自動です。
私に残っている仕事は、ひとつだけです。「何が決まったのか」「誰が宿題を持ったのか」の最終確認をします。
ここを人間に残しているのは、前回書いた線引きのとおりです。議事録は関係者がそれを見て動く材料なので、間違っていたら謝るのは私になります。責任が発生する最後の工程なので、渡しません。逆に言えば、そこ以外は全部渡してしまえます。
結果として、後工程は30分から1時間くらいになりました。
減った時間より、変わった状態のほうが大きかったです
数字だけ見ると「週3〜4時間が30分〜1時間になった」という話です。ただ、実際に効いたのは時間の長さではありませんでした。
会議が終わった時点で、共有まで終わっている状態になったことのほうが大きかったです。
翌日まで待つ人がいなくなりました。「あれ、どうなったんでしたっけ」と聞かれることもなくなりました。決まったことが、決まったその日から動き始めます。
作る前に想像していたのは「議事録を書く時間が減る」でした。実際に手に入ったのは「会議の翌日が消える」ほうでした。この差は、作ってみるまで分かりませんでした。
そして、この時間は毎月戻ってきます
ここがいちばん書いておきたいところです。
浮いた時間は、月にすると10時間から13時間ほどです。ただ、これは一度きりの節約ではありません。仕組みは毎週動き続けるので、来月も同じだけ戻ってきますし、その次の月も同じです。
1年にすると120時間から156時間になります。営業日に直すと、だいたい15日から20日ぶんです。
作るのにかかったのは、それより短い時間でした。しかも作ったのは一度だけです。ここが、人を増やしたり気合いで乗り切ったりするのと決定的に違うところだと思っています。
その代わり、効き始めるまでは地味です。1週間では何も変わった気がしません。3ヶ月くらい経ってから「そういえば、あれをやらなくなったな」と気づく種類の変化でした。
作ったものは、そのうち古くなります
正直に書いておきます。
最初に作った議事録の仕組みは、いまはもう一部を使っていません。あとから使い始めたツールに標準で似た機能がついて、そちらのほうが早かったからです。せっかく作ったのに、と一瞬思いました。
ただ、置き換わったのは仕組みのほうだけでした。
「会議のどこが面倒なのか」「どこまで任せて、どこを自分に残すのか」。この設計はそのまま残っていて、新しいツールに移すときもそのまま使えました。作った仕組みは古びますが、作るときに考えたことは古びません。
だから、最初の1本を作る価値は、できあがった仕組みそのものより、その過程で身につくもののほうにあると思っています。
どこから始めるか
もし会議が毎週あって、そのあとの整理を誰かが手作業でやっているなら、そこは最初の1本の候補です。
前回までに書いた2つを当てはめると、こうなります。毎週必ず発生するので効果が大きく、録音はすでに手元にあるので実現しやすい。そして責任が発生する最後の工程が「決定事項の確認」だけなので、線が引きやすい。
派手な成果ではありません。ただ、毎月必ず戻ってくる時間としては、なかなか悪くない1本だと思います。