半日がかりの月次報告書が、数分で下書きになった話
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毎月、お客様に出す報告書を作っています。以前は、これが半日がかりの仕事でした。
管理画面を開いて、数字を拾って、表に貼る。別のツールを開いて、また数字を拾って、貼る。それが終わったら、グラフを作って、体裁を整える。フォントを揃えて、色を直して、ずれた表を直す。気づくと夕方になっています。
報告書には、面倒が2種類まざっています
以前の記事で、AIで解ける面倒は「散らばり」「繰り返し」「判断」の3つに収まる、と書きました。報告書づくりを分解してみると、このうちの2つが一度に入っています。
ひとつは散らばりです。数字が、いくつもの管理画面やツールにばらばらに置いてあります。1か所にまとまっていれば見るだけで済むものを、毎回あちこちから集めてくる必要があります。
もうひとつは繰り返しです。集めた数字を表に写し、先月と比べ、グラフにして、体裁を整える。項目は毎月同じで、手順も同じです。
面倒が2つまざっていると、「大変な仕事」というひとつの塊に見えます。半日かかるのも当然だ、と思ってしまいます。ただ、分けてみると、どちらも人間が得意な種類の作業ではありませんでした。
一番つらかったのは、時間ではありませんでした
半日という時間も重いのですが、本当のつらさは別のところにありました。
この作業が、何も生み出していないことです。管理画面の数字を表に写しても、体裁を整えても、数字が良くなるわけでも、次の打ち手が生まれるわけでもありません。
本来、自分がやるべきなのは、その数字を見て「何が起きているのか」を考え、「では次にどうするか」を決めることのはずです。それなのに、時間と労力の大半が、考える前の作業で消えていきます。
集める・写す・整えるを、まとめて任せました
そこで、AIと一緒に、報告書の下書きが自動で出てくる仕組みを作りました。
任せたのは、散らばった数字を集めてくること、表に写すこと、グラフや資料の体裁を整えることです。毎月、数分で下書きが出てきます。
残したのは、ふたつです。ひとつは、数字の最終チェックです。お客様はその数字を見て判断するので、外に出る前に自分の目で確かめます。
もうひとつは、考察の仕上げです。数字から読み取れることの下書きはAIが書いてくれますが、お客様の状況や、会話の文脈を踏まえた「来月どうするか」は、担当者である私が書きます。
線引きの記事で書いたとおり、責任が発生する最後の工程だけを自分に残した形です。
報告書の「中心」が、入れ替わりました
半日が数分になったので、単純に計算すれば、毎月ほぼ半日が浮いています。
ただ、それより大きかったのは、報告書という仕事の中心が入れ替わったことでした。以前は、転記と体裁が仕事の大半で、考察はその残りでした。いまは、考察が仕事の大半で、転記と体裁は仕組みが済ませています。
同じ「報告書を作る」という仕事なのに、自分の時間と労力の使い先が、「数字を運ぶこと」から「数字から考えること」に変わりました。作業の自動化は時短の話として語られることが多いですが、実感としては、本来やるべき仕事に自分を使えるようになったことのほうが大きな変化でした。
「運んでいるだけの工程」を数えてみてください
もし毎月、資料づくりに沈んでいる時間があるなら、その中に「数字や情報をただ運んでいるだけの工程」がどれくらいあるかを、一度数えてみてください。
集めてくる、写す、整える。この3つは、たいてい運んでいるだけです。そこが、仕組みに任せられる候補です。そして、その先に残る「数字を見て考える」ところが、本来あなたがやる仕事だと思います。